「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」

yuko20602010-11-15




私には珍しく?本の紹介をしようと思います。
新書とかあまり読まないので、本のオススメってあまり出来ないん
ですよね(苦笑)
この本、今年の5月に発売になっていて、気にはなっていたのですが、
なかなか手にすることが出来ずにいました(苦笑)
ホント、いまさらですが読みました!!と言う感じですね。
ものすごい面白いし、「落合監督」というフィルターを通して日本人の
よくない気質をズバッと書き抜いているテリー氏の洞察力は
すばらしいです!!!!
正直・・・テリー氏のことは「大の巨人バカ」で「未だに
『巨人・大鵬・たまごやき』を強いものの代表だと思っている古い
価値観の人」だと思っていてあまり好きではありませんでしたが、
この本を読んでテリー氏の見方が大きく変わりました(笑)



私は大の中日Fanで、落合監督が好きです。
時々「え、どうしてこんな采配をするの?」とか中日Fanの私でも
思うことが多々ありますが、監督には先を見据える千里眼とどんなに
バッシングされようが嫌われようが自分の信念を貫く芯の強さが
あるんですよね。
戦前の「真のオヤジ」像すら感じさせられます。



私の中でずっと不思議だったこと・・・
今年、2010年で中日ドラゴンズの監督就任7年目。
うちリーグ優勝が3回、日本一が1回、そして「今年こそBクラス落ち
するだろう・・・」と思われたシーズンも何度もあったにも関わらず
Bクラスに1度も落ちていない・・・本当にすごい人なのにどうして
そんなに嫌いな人が多いのか、その手腕のすごさを評価されないのか、
本当に不思議でした。
でも、この本、テリー氏の視点からそのなぞが紐解かれすっきりしました。



試合が終わると報道陣を避けるように一目散に帰ってしまう。
野村監督のように「ぼやき」のコメントが面白いわけでもないし、
原監督のように一喜一憂したコメントをするわけでもない。
そして、負けたら「私の責任です」の一言だけ。
見ている方、追いかけているマスコミにとってはは本当に面白くない
でしょうけど、私から見たらどんなに試合内容が悪くても、選手が
ミスしても選手の悪口を絶対に言わない。
何も語らないことで選手を傷つけず、負ければ「自分の責任」と
責任を引き受ける。これこそ、真のリーダー、責任者の姿だと
思うんですよね。
だから、選手は安心して・・・もちろん切磋琢磨して「要らない」
って言われないように野球をやらなくちゃいけないけど・・・
野球が出来ているんじゃないかな、って思うんです。



正直、私は社会人として10年以上(歳がばれるな(笑))会社勤めを
していて、転職していていくつかの会社で働いていますが、どの会社
でも「長」と呼ばれる人は、ステイタスだけで偉そうにしている人
ばかりで本当の意味で【責任を取る】という人が少ない気がします。
「いかに上手く体裁を繕うか、責任を取らないか」という人が多い
気がするんですが、戦前の日本はきっと落合監督みたいなドシ!っと
構えた本当の意味での「上司」と言う人が多かったんじゃない
でしょうかね。


また、テリー氏はこの著書の中で「分かりやすいものに飛びつく
日本人の現象が、日本の国力を下げている」ということを突いています。
スーザン・ボイルの大ヒットの現象もたとえとしてあげていますが
彼はスーザン・ボイルの曲を聴いていて、聞いているうちに飽きて
しまった、と言っています。
マライア・キャリーのように歌の引き出しがたくさんあるわけで
なくただどの曲も同じように歌うだけなので。と言っているのですが、
この辺にも日本の音楽の流行の現象がよく現れているな、と個人的には
思ってしまいました。
先日、見に行ったBeegie Adairのヒット現象もそうだし、今はどこに
行ってしまったのか?一時期空前のブームだった女子十二楽坊
そうだし「分かりやすい」もの、聞きやすいものに飛びついて
ブームに乗っかる・・・そういう現象が音楽にもあるし、そういう部分
がすべてにつながっているんだな、物の本質を見ようとしない人が
増えてるんだな、と本を読みながら改めて感じました。
でも、私も音楽以外に関しては「本質を見れていない」人間の1人だ
と思うので、えらそうなことは言えないし「自分のこと言われてるな」
と、かなりドキっとしてしまったんですけどね。


日本人はもっと落合監督の真の素晴らしさを認めるべき時が来たんだと
思います。
そして、中日Fanの私ですら勘違いしていた部分があったこともわかり、
これからますます落合監督から目が離せないな、と思いました。
この本を本当にたくさんの人に読んでほしいですね。
この本を読んでそれでも「落合なんか嫌い!」なんて人がいたらその人は
【古い価値観】を変えられない人なんじゃないかしら。
そして、私は声を大にしていいたい。
落合監督・・・体が無理!と言う段になるまで、
どうか中日ドラゴンズの監督を
やり続けてください。
そして、「常勝球団」として君臨し続けてください。



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