　　「プレシャス」 - ココロのつぶやき

yuko20602010-05-01

原題：Precious: Based on the Novel "Push" by Sapphire

『話題になっていた作品なので期待を裏切られる
　かと思ったのですが（苦笑）素晴らしい作品でした。』

※画像は映画「プレシャス」のものです。
表題の★は、私の中の評価です。
★★★★★が満点です。
＜★の基準＞
★：時間と金返せ！
★★：レンタルDVD（ビデオ）で十分です。
★★★：まぁまぁ〜。映画館でどうしても見るほどではないかも。
★★★★：お金はらってみる価値アリ。劇場で見てください。
★★★★★：超〜最高！オススメ！！もう１回スクリーンで見たい！

1987年のハーレム。
16歳の少女クレアリース・プレシャス・ジョーンズは、とんでもなく
太っていて、読み書きも出来ない。
家では母親から罵声と暴力を浴び、おなかの中には自分の父親との
間の子供がいる。
彼女にとって、現実は残酷で、幸せは空想の中でしか実現しないもの。
そんな彼女がある日、妊娠の事実が学校に知れ、プレシャスは学校を
退学になる。
代替学校に通い始めたプレシャスは、レイン先生と出会い、同じ境遇
にある友達に出会い、文字が読めるようになり、自分の感情を文字で
人に伝える方法を知る。
そして、劣悪な環境から抜け出そうと戦い始める…。
自分の人生を豊かにするのは、自分にしか出来ないことを知るのだった。

今日は映画の日だったので、朝から見てきました。
日比谷シャンテと渋谷でしか上映されていないようで朝から相当な
混雑ぶりで、朝ほとんどの回のチケットがSold Out状態でした。
この映画に対する皆さんの期待が大きいと言うことでしょうね。
この映画、ずいぶん前から予告編を見ていたりインターネットでの
評判等を見ていたのでものすごく見たくて楽しみにしていました。
低予算で作られた作品だけど、出来がよいと言うことも聞いていたし、
かなり期待しておりました。
で・・・期待しすぎるとガッカリ、なんて作品は過去に何作も
ありますが、この作品は「素晴らしい！」の一言ですね。

この映画は実話ではないらしいのですが、アメリカの低所得家庭で
実際に起きていることで、それを訴えるため、現実に目を向けて
もらおうと作られたというようなことが、2週間前のTBSテレビ
「NEWS23　X」で語られていました。
また、オバマ大統領の当選にも一役買い、彼女の触るもの、薦める
ものは爆発的にヒットする、と言われている、オプラ・ウィンフリー
がこの映画に関わっていてそれもあって、この映画、かなりアメリカ
では注目されたと言う話もあります。
オプラも、オバマ大統領に現実に目をむけ変えて欲しいという気持ち
があり、この映画に携わったそうです。

日本でももしかしたら、このくらいのひどい虐待が実際に家庭で
起こっていたりするんですかね？
もし、そうだとしたら、この映画の主人公プレシャスのように
強く前向きに生きていくことが出来るのでしょうか？
本来ならば、子供が守られるはずの“家庭”と言う場所であれだけ
罵倒され、虐待され、自分の存在価値すら否定され、生きていくこと
すらつらくなってしまうような状況で、彼女の強さ、やさしさは
本当にすごいな、と思うしもし、自分が同じ境遇なら生きていられた
んだろうか、なんて思ってしまいました。
「愛」を信じられない彼女が、それでも生きると言うことにまっすぐ
向かい合っていく姿が、痛々しくて、でも本当に強いなぁ〜と感心
させられます。
最後の方のシーンで、CMでもチラリと使われている「愛なんて残酷な
だけだ」というシーンなんですが、ここで彼女が語るセリフに、
気づいたら涙が流れていました。
私、本当に周りの目が気になって普段映画館ではほとんど泣けない
んですけど、そんな私でも泣いてしまうほど心に深く入ってくる
映画でした。
この映画は、どれだけ今日本で生きている私たちが恵まれている
境遇で生きているのかというのを改めて認識出来る映画だし、恵まれ
すぎている日本人こそ見るべき映画だな、と思いました。

ところで・・・またまた音楽ネタで申し訳ないのですが、
この映画のサントラ盤には収められていないのですが映画の
終わりの方に、プレシャスが教会を覗いていて、ゴスペルを
歌っているシーンがあるのですが、そこで使用されている
のが、私の大好きなThe Sounds Of Blacknessの
「Soul Holidays」という曲です。
PV貼っておくのでよかったらご覧ください。

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