アメリカ、家族のいる風景

yuko20602006-02-18



『人生の大切さに早く気付かなくちゃ。』


※画像は映画「アメリカ、家族のいる風景」のものです。
表題の★は、私の中の評価です。
★★★★★が満点です。
<★の基準>
★:時間と金返せ!
★★:レンタルDVD(ビデオ)で十分です。
★★★:まぁまぁ〜。映画館でどうしても見るほどではないかも。
★★★★:お金はらってみる価値アリ。劇場で見てください。
★★★★★:超〜最高!オススメ!!もう1回スクリーンで見たい!
という基準で評価してます。



ユタ州モアブ。
辺り一面に広がる古き良きアメリカの原風景の中を
馬に乗って走り去るハワード・スペンス。
西部劇の華麗な衣装を身にまとっている。
彼は今やすっかり落ちぶれてしまった俳優で、
撮影中の現場から逃げだしてきたのだ。
ハワードは乗っていた撮影用の馬と衣装を牧場の老人に渡し、
列車とレンタカーを乗り継いで、30年近く前に家を
飛び出してから、一度も帰っていなかった母親の住む
ネバダ州エルコヘと向かう。



 一方、ハワードが消えてしまった撮影現場は混乱を極めており、
撮影は一時中断となってしまった。
映画が完成しなければ大損害となってしまう保険会社は
ハワードを見つけるために私立探偵のサターを雇う。
 突然帰ってきたハワードを、久しぶりに会った母親は
暖かく迎え入れた。
ふとしたことからハワードは母の部屋で、自分に関する
記事のスクラップ帳をみつける。
女と酒と薬に溺れて起した様々な事件が書き立てられた
ゴシップ記事の数々。
それは会うことがなくても、ハワードの30年間を知るには
十分なものだった。


 母はハワードに家族はどうしているかと尋ねる。
なぜなら20数年前、ハワードが西部劇の撮影をモンタナで
終えた後、彼を探しているという若い女性から電話があり、
ハワードの子供を妊娠していると告げたのだという。
自分に子供がいるかもしれないという事実に驚いたハワードは、
早速モンタナ州ビュートヘと向かう。
そこは彼がスターダムへとのし上がるきっかけとなった
デビュー作を撮影したのだった。



この映画は、あの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」で
一躍有名になったヴィム・ヴェンダース監督の最新作です。
私は、彼の作品は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」と
ソウル・オブ・マン」の2本しか見ていないので、
映画として本格的な作品を見るのはこれが初めてでした。
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」と「ソウル・オブ・マン」は
2本とも、【音楽ドキュメンタリー映画】だったので。
今日、公開初日だったのですが劇場招待券が当たったので
早速見てきました。
思ったよりお客さんが入ってなくてちょっと、残念。



映画的には、かなり淡々としておりますが、こういう淡々とした
映画は、何を訴えたいのかよく分からないまま終わる作品が
多い中、何を訴えたいのかがよく分かる作品に仕上がっていて、
私は好感を持てました。
★4つでもよかったのですが、ちょっと途中で飽きそうになりながら
見ていたところもあったので、辛口で3つにしました。
この作品、何を訴えたいのか・・というと、冒頭のコメントに
書いたとおり、人生の大切さに早く気づいて、人生の時間を
無駄にしないこと・・・ということですね。
主人公のハワードは、【無法者】がぴったりな人生を送って
いたようです。
過去に何をしてきたか、周りに人のセリフや、お母さんの
スクラップ帳を読んでいるところからしか分かりませんが。
●このスクラップ帳を読むシーンで、彼の過去を見ている人に
 分からせる・・という手法が、監督の上手さだと、見ながら
 思ったのですが・・・
酒とギャンブルと女・・・にとにかくだらしない生活をして、
好き放題やっていたようです。
その彼がなぜか、人生を取り戻そうとする・・という作品なのですが。
彼の映画の中でのセリフや行動を見ていると「人生を無駄にしちゃ
いけないなぁ〜」と思ってしまいます。
人生を無駄にしているような自分の行動や考え方は早く気づいて
変えないと、彼のように年を取ってから取り返しの利かない
人生になっちゃう!ってことを感じさせられる映画でした。
私には、結構タイムリーな映画だったかな。